聖観音菩薩立像 薬師寺東院堂
奈良時代 銅造・鍍金 像高188.9cm 〈国宝〉
端麗な崇高さと凛々しい若々しさが一体となり、颯爽と立つその姿には清々しい青年の理想を思わせるものがある。東院堂の本尊であるこの像には、若くして非業の死をとげた有馬皇子をモデルにしたという伝承があるが、それは貴公子のようなその姿に悲劇の皇子を忍んだからに違いない。艶やかな肉体に付けた胸飾や瓔珞なども豪華で、柔らかく天衣を纏い、元は頭上にも見事な宝冠をつけていたと考えられる。
〈仏像解説〉小川光三
〈写真提供〉飛鳥園
[ 奈良仏像カレンダー2001 ]
Client:奈良県
Supervision:小川光三
Creative Direction:野村裕一
Art Direction:立花幹也
Design:Yellow dog studio
Calligraphy:竹岡燿春
Photo:小川光三(飛鳥園)
Printing:岡村印刷工業