聖徳太子二歳像 元興寺

鎌倉時代 木造.彩色 像高68.2cm (県指定)

微かに眉をひそめ、幼児ながら厳粛な表情で合掌する。その愛らしくも真剣でひたむきな顔つきが微笑ましい。伝説では、聖徳太子が二歳の時、東に向かって「南無仏」と唱えて合掌したところ、手から仏舎利が現れたという。その姿を表したのが本像で、南無仏太子像ともいう。 鎌倉時代、太子信仰の高まりとともに太子絵伝の軸物や屏風が描かれた。一方、彫像としては二歳、十六歳などの少年期から壮年期までのさまざまな太子像が造られ、法隆寺には摂政像または勝鬘経講讃像とされる秘仏がある。本像は二歳像の中でもとくに優れた作品で、像内に仏舎利を象徴する五輪塔が納入されている。
〈仏像解説〉山崎隆之
〈写真提供〉飛鳥園

[ 奈良仏像カレンダー2021 ]
Client:奈良県(ビジターズビューロー)
Supervision:山崎隆之
Art Direction:立花幹也
Design:Yellow dog studio
Calligraphy:込村泰善(元興寺住職)
Photo:若松保広(飛鳥園)
Printing:岡村印刷工業

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