聖林寺 十一面観音菩薩立像
奈良時代 木心乾漆造・漆箔 像高209.1cm 〈国宝〉
聖林寺十一面観音菩薩立像は、かつて桜井市の大神神社の神宮寺であった大御輪寺(現大直禰子神社)に祀られていたが、神仏分離の発令を受け聖林寺に移された。本像は、奈良時代の木心乾漆の技法による諸作品の中でも最高傑作といえる。木心乾漆とは、仏像の大体の形を彫った木心に木粉の練り物を使い、目鼻や唇、衣文など細部の微妙な形を仕上げる技法で、まさに作者の技量が試される。本像の右手指の美しさは、心となる針金の曲げ具合と練り物による造形が絶妙である。
〈仏像解説〉山崎隆之
〈写真提供〉飛鳥園
[ 奈良仏像カレンダー2022 ]
Client:奈良県(ビジターズビューロー)
Supervision:山崎隆之
Art Direction:立花幹也
Design:Yellow dog studio
Calligraphy:倉本明佳(聖林寺住職)
Photo:小川光三、若松保広(飛鳥園)
Printing:岡村印刷工業